野中佑基のリーダーシップ論(20) [リーダーシップ]

野中佑基
2.集団アイデンティティーの違いがLMXに及ぼす影響
 リーダー-メンバー関係とメンバーの集団アイデンティティーがリーダーシップの有効性に及ぼす影響を検討したところ、グループの人数が少ない条件(20人未満)においてのみ、有意傾向ながら仮説は支持された。集団アイデンティティーが低いメンバーのほうが高いメンバーよりもリーダー-メンバー関係の影響を受けやすく、関係が高質であるほうがリーダーシップの有効性の評価は高かった。グループの人数が少ないほうがリーダーとの1対1のコミュニケーションの機会が多く、リーダーの重要性が高くなり、集団アイデンティティーの顕在化に対する影響が強くなると考えられる。また、人数が少ない場合にはメンバー間の結束がより強くメンバー一人ひとりがグループに貢献する割合も大きいので、メンバー同士の関係や成果によって有効性を評価することができると思われる。一方で、グループの人数が多いとメンバー一人ひとりにおける割合が小さく、グループの目標や成果からの距離が遠くなるので、リーダーとの関係以外にリーダーシップの有効性を評価する要素が少なくなるのではないだろうか。また、対象集団がサークル・部活動なので、後輩や同期との関係のほうがリーダーよりも集団アイデンティティーに与える影響のほうが強くなると考えられ、グループの人数が少ない場合よりもリーダーとの関係はより区別してとらえられるのではないだろうか。そのため、グループの人数が少ない条件においてのみ仮説が支持されたものと考えられる。
以上、野中佑基のリーダーシップ論(20)でした。

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