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野中佑基のリーダーシップ論(27) [心理学]

野中佑基
2.グループ分け
 参加者の都合、グループに属するメンバーの学年、男女比、関係的自己観の高低の割合を考慮し、参加者を5~7名の計10グループに割り当てた。実験は3回に分けて行い、1回の実験で必ず1部屋に2グループ以上が実施するように設定した。
3・実験操作
 計7名の実験協力者にリーダー役としてグループワークに参加してもらった。LMX理論に加えてリーダーシップ行動論であるPM理論を参考にして高質なリーダー及び低質なリーダーを演じるための操作的定義(表1参照)を作成し、実験協力者を高質なリーダーを演じる条件(4名)と低質なリーダーを演じる条件(3名)とに分類し、事前に各役割について2回づつメンバー役を配置して模擬練習を行った。その際にリーダー役の人
に情報カードの内容および課題の正解について知らせた。
グループワーク当日は、あらかじめ机の上に模造紙、マジックペン、情報カードおよび、課題のルールと説明が書かれた紙を置いておき、参加者を座らせ全員が揃ったところで教示を始めた。課題に取り組む際はリーダーや実験者が見ているからといって緊張せずに、できるだけいつもどおりの自然な状態で臨むようにしてもらった。 
以上、野中佑基のリーダーシップ論(27)でした。

参照: http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/86cd640e77f7c30177cccd1a20b810d3/1c

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野中佑基のリーダーシップ論(26) [心理学]

野中佑基
1.課題
 「バスは待ってくれない」というコミュニケーションゲームを行った。課題の場面設定は花子さんという女性が歯が痛くてたまらないので隣町の歯医者に行きたいのだが、集めた情報はバラバラであった。そこで、彼女を次の隣町行のバスに乗せるために、情報を出し合いわかりやすい一枚の地図にして花子さんに渡すというものであった。隣町に行くバスは40分後に出発するとし、その制限時間を実験者がストップウォッチで測定した。もし、制限時間内に正しい地図が描けなさそうでも、その時点までに出た情報をまとめて地図を完成させるようにしてもらった。なお、名刺ほどの大きさの情報カードに、1枚につき1つの情報を載せた。
 課題のルールは以下の3点であった。
1) 花子さんに渡す地図は、マジックペンで模造紙に描き、道順も示すこと
2) 各自が持っている情報は口頭でのみ伝え、他のメンバーの情報カードを見たり自分のカードを見せたり、渡したりしないこと
3) 下書きや情報を皆に見えるように書き出さないこと
以上、野中佑基のリーダーシップ論(26)でした。

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野中佑基のリーダーシップ論(25) [心理学]

野中佑基
当日は、課題の設定とルールを説明した後リーダー役の人に担当のグループに行ってもらい、リーダー役の指示のもと5分間の自己紹介を行ってもらった。自己紹介が終わった後に、リーダー役の人は参加者に均等な枚数で情報カードを配布し課題を始めた。40分間の課題終了後、10分間の時間をとり、グループワークを振り返る「ふりかえりシート」に解答してもらった。ふりかえりシートに記入後、再度10分間の時間を設け質問紙に解答してもらった。質問紙に解答後、正解の発表を行った。最後にデブリーフィングを行った。実験の大まかな流れは図1のとおりである。
野中佑基
【2か月前】
・相互独立的―相互協調的自己観の測定
【1か月前】
・関係的自己観の測定
・グループワークの希望日程調査
【当日】
・課題の場面設定とルールについての説明
・リーダー役の紹介とグループ別の自己紹介

・コミュニケーション課題「バスは待ってくれない」
・制限時間は40分

・LMX関係測定尺度
・PM指導行動測定尺度
・文脈的パフォーマンスの貢献度レベル測定尺度
・リーダーシップの有効性測定尺度
・グループのリーダーの権限の強さ、責任の重さ

・実験参加者のグループ内での役割について
・課題中のグループの雰囲気について
・課題中に考えていたことについて
図1 実験の流れ
以上、野中佑基のリーダーシップ論(25)でした。

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野中佑基のリーダーシップ論(24) [心理学]

野中佑基
仮説
1.リーダーと高質なLMX関係にあるメンバーのほうが、高質でないLMX関係にあるメンバーよりもリーダーシップの有効性を高く評価するだろう。
2.リーダーと高質なLMX関係にあるメンバーのうち、関係的自己観を高く持っている人のほうが低い人よりもリーダーシップの有効性を高く評価するだろう。

野中佑基
方法
実験参加者
 社会心理学の受講生を対象に実験を行った。4年制大学に通う大学生59名(男性21名/女性38名)で、第2学年が42名、第3学年が13名、第4学年が3名、大学院生が1名であった。平均年齢は20.7歳(SD=5.74)であった。
実験材料
 模造紙(1グループ1枚の計10枚)・太マジックペン(1グループ赤・青・黒各1本で計18本)・名刺ほどの大きさの情報カード(1グループ20枚で計120枚)・ストップウォッチ(1グループ1個で計6個)
手続き
講義時間内に事前調査及びリクルーティングを実施した。事前調査は二回に分けて行った。実験は「コミュニケーションの難しさを知ること、集団の形成を調査すること」の目的で参加を求め、グループワークを行った。
以上で、野中佑基のリーダーシップ論(24)でした。

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野中佑基のリーダーシップ論(23) [心理学]

野中佑基
PM理論はリーダーシップをP能力(Performance;目標達成能力)とM能力(Maintenance;集団維持能力)の2つの能力要素で構成されるとし、目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力(P)と、メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の2つの能力の大小によって、4つのリーダーシップタイプ(PM,pM,Pm,PM)を提示し、PとMがともに高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとした理論である。
 リーダーとメンバーの交換の質と量がLMX関係の質にとって重要であることから、リーダーのM能力をリーダーとメンバーの1対1のやりとりにおいてあてはまるようにした。つまり、高質条件ではM能力が高いリーダーになるようにし、低質条件ではM能力が低いリーダーとなるようにした。成果によって、リーダーへの評価は大きく異なる(三隅, 1976) ため、本研究ではP能力は中程度になるようにした。
 詳細は以下の方法で述べる。
野中佑基
目的
 リーダー-メンバー関係とメンバーの関係的自己観がリーダーシップの有効性に及ぼす影響について、リーダー行動を操作した上で検証する。
 加えて、PM理論と関係的自己観、LMXと文脈的パフォーマンス、LMXとグループの雰囲気との関連についても検討する。
以上、野中佑基のリーダーシップ論(23)でした。

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野中佑基のリーダーシップ論(22) [心理学]

野中佑基
さらに、リーダーシップが有効性の評価の判断はメンバーが普段のリーダーの姿から類推した漠然としたもので、あくまで自己認知の結果であり、実際にLMXが有効に機能しているのか、行動に差が認められるのかが不明瞭であることが問題点としてあげられる。
 よって、本研究ではリーダーを設定したグループワークを行い、そのリーダーとの関係や有効性に関する質問に回答してもらい検討する。このようにリーダーシップの場面を特定し課題を統一し、参加者のリーダーに対する評価基準やリーダーの権限や責任をできるだけ明確にした上で測定する。
PM理論と操作的定義
 メンバーにLMXが高いと認知させるのはリーダーのどのような行動・対応だろうか。本研究ではLMX関係の質の操作を試みる。そのため高質・低質それぞれのリーダー役の操作的定義を作成する。
 LMX理論はリーダーとメンバーとの相互影響過程に焦点を当てメンバーによるリーダー認知を取り上げたものであり、リーダーの行動を定義するものではない。そこで、リーダーシップ行動論の代表的な理論の一つであるPM理論(三隅, 1976)を用いた。
以上、野中佑基のリーダーシップ論(22)でした。

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野中佑基のリーダーシップ論(21) [心理学]

野中佑基
集団アイデンティティーが低いメンバーのほうが高いメンバーよりもリーダー-メンバー関係を受けやすくなる傾向が示された。これは、集団アイデンティティーが高いメンバーは集団の価値や理念に基づいて判断するため、リーダーとの関係による影響を受けにくくなる(Tajfel & Turner, 1986)という予測通りの結果であった。リーダーはメンバーと関係を考える際は、メンバーの置かれた状況にも考慮する必要があることを示している。
野中佑基
研究2
グループワークによる検討
 研究1では、リーダー‐メンバー関係が高質であるほうがメンバーが感じるリーダーシップの有効性が高くなることは確認できた。しかしながら、LMX関係と関係的自己観の相互作用は見られなかった。この理由として、リーダーシップの有効性を認知するにあたって参加者が思い浮かべる場面にばらつきがあり、それによって有効性に影響を与えていることが考えられる。また、この研究で対象にした集団が大学の部活動・サークルであり、どちらも集団全体としての目標はあったが、リーダーの権限や責任は軽いもしくは形骸化している場合もあり、活動内容においてメンバーに求められる責任も軽いと考えられる。そのため、リーダーよりもメンバーとの関係やメンバー自身の考えを優先しまうことが考えられる。
以上、野中佑基のリーダーシップ論(21)でした。

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